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タックスヘイブン国に駐在員事務所を作ったら

海外に進出をしようと考えたときに、いきなり巨額の投資をして現地法人を設立してビジネスを開始するのは、スピード感があって素晴らしいと思います。ただ現実には、まず現地の情報収集を行い、自社の製品やサービスが受け入れられるかどうかを検証するのではないでしょうか?

そのような場合に使われるのが、駐在員事務所という形態です。駐在員事務所は、以下の特徴があります。

・現地での活動は、情報収集や市場調査のみに限定する。つまり、現地での収益が発生する活動(販売・営業・マーケティング)は行わない。

仮にタックスヘイブン国であるシンガポールや香港に進出を検討し、その進出形態として駐在員事務所を採用したとします(シンガポールや香港で駐在員事務所の形態が認められるのかどうかは定かではありません)。その駐在員事務所は、日本のタックスヘイブン税制(外国子会社合算税制)の適用対象となるかということを考える必要があります。

一般的には、駐在員事務所はPE(Permanent Establishment)を有しないものと考えられますので、そもそも会社ではありません。ですのでその駐在員事務所は海外子会社に該当することはないのではないかと考えます。仮に該当するとしても合算する所得もないでしょう。

ただ駐在員事務所であることを否認される可能性はゼロではありません。国によっては、駐在員事務所と会社の区分に違いがある場合があります。もちろん駐在員事務所を設立する場合には、活動を限定するなどの配慮は必要でしょう。

タックスヘイブン税制は、国税庁の資料によると、平成25事務年度においては、否認(非違)件数が全国でたった66件しかありません。ただ1件当たりの申告漏れ金額は平均約1億円です。知らなかったでは済まされない金額ですので、事前の確認が必要だと思います。


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