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ストックオプションと出国税

国外転出時課税(いわゆる出国税)が7月1日から施行されました。

有価証券を時価ベースで1億円以上有している方が、日本の住所を引き払って海外へ移住する場合に、出国税が課税されるようになりましたが、ストックオプションが国外転出時課税(いわゆる出国税)の対象になるのでしょうか?

ストックオプションには、多くの場合、譲渡制限がついています。そのような譲渡制限が付されているストックオプションは、権利行使時にその時の価格によって評価することが定められています(所得税施行令84条)。これはストックオプションの付与時においては換金性がなく、担税力のある経済的利益を得たとは言えないからだと考えます。権利行使の時点までならないとその価格を把握することができない仕組みになっていますので、結果として出国税の対象になることについては疑義があります。

(参考資料)国税庁のWebsiteに掲載されていた論文”所得税法施行令第84条の考察-個人に係る新株予約権の課税関係を中心として-”
http://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/ronsou/69/02/index.htm

ただ出国税とは別の問題があります。非居住者になるタイミングで、非居住者口座に移さなければならない証券会社があります。これはそのストックオプションが税制適格である場合に大きな問題になります。税制適格のストックオプションは、金融機関の振替口座に記載され、適切に管理されている必要があります(租税特別措置法29条の2①6)。非居住者口座がその要件を満たすかどうかを確認する必要があります。証券会社の規定により、ストックオプションを管理している口座から非居住者口座に移さなければならない場合において、その非居住者口座が上記の要件を満たさないときは、税制適格ストックオプションの要件が外れ、税制非適格ストックオプションになってしまいます。結果として、税負担が大幅に増加する可能性があります。

非居住者口座については、証券会社によって取り扱いが違うようです。特にIPOをされた、または予定されている企業で働かれている方に影響のある部分です。もし海外に移住する見込みがあるのであれば、証券会社に事前に確認をしておく必要があるでしょう。

 


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