【国際相続】親がアメリカで一人暮らしをしていた。突然の訃報。日本にいる遺族はまず何をすれば良いのか?

ある日突然、アメリカに住んでいた親が亡くなったという連絡が入った。一人暮らしだったため、身の回りの整理から相続手続きまで、すべてを日本から進めなければならない。どこから手をつければ良いのか、途方に暮れる方も多いと思います。この記事では、そのような状況での手続きの全体像を解説します。


目次

【ステップ1:まず在米日本領事館に連絡する】

親が日本国籍を持っていた場合、現地の日本大使館または総領事館に死亡の報告をします。領事館は現地の手続きに関する情報提供や、緊急時の支援を行っています。また、死亡届の受理も領事館で行うことができます。

日本への死亡届は、死亡を知った日から3か月以内に提出します(国外での死亡の場合は期限が延長されます)。


【ステップ2:遺体・遺骨の日本への搬送】

一人暮らしの場合、遺体の引き取りを誰が行うかが最初の課題になります。現地で火葬して遺骨を日本に持ち帰ることが一般的と聞いたことがあります。遺骨の持ち帰りには、埋葬許可証・火葬証明書などの書類が必要とのことですので、現地の葬儀社と連携して進めることをおすすめします。


【ステップ3:海外での財産を把握する】

一人暮らしだった場合、財産の全容が把握できていないケースがほとんどです。以下の財産がないか確認します。

  • 銀行口座・証券口座
  • 不動産(賃貸か持ち家か)
  • 車・貴重品
  • 生命保険
  • 401kなどの退職年金口座
  • 負債(クレジットカード・ローン)

アメリカではクレジットスコア機関(TransUnionなど)に照会することで、負債の存在をある程度確認できると聞きました。


【ステップ4:プロベート手続きの要否確認】

アメリカの相続は、日本と異なりプロベート(裁判所による遺産管理手続き)が必要になるケースが多くあります。プロベートが必要かどうかは、財産の種類・金額・州によって異なります。

プロベートが不要になる主なケースは以下の通りです。

  • 受取人指定がある生命保険・退職年金口座(401kなど)
  • 共同名義(Joint Tenancy)の財産
  • TOD(Transfer on Death)指定がある口座
  • トラスト(信託)に入っている財産

逆に、個人名義の不動産・銀行口座・証券口座はプロベートが必要になることが多いです。ただ州によって取り扱いが違うのかもしれません。


【ステップ5:現地の弁護士を探す】

プロベートが必要な場合、現地の遺産専門弁護士(Estate Attorney)への依頼が不可欠です。日本から手続きを進めるためには、委任状(Power of Attorney)を作成して現地の弁護士に権限を付与します。日系の弁護士事務所や、日本の弁護士・税理士と提携している現地事務所を探すと、言語の壁が低くなりますが、往々にして相場より高額です(相場も日本人から見ると高すぎます)。


【ステップ6:日本側の相続手続き】

親に日本国内の財産(預金・不動産など)がある場合、日本側でも相続手続きが必要です。また、日本の相続税についても、被相続人・相続人の居住状況によって課税の有無が変わります(詳しくは別記事をご参照ください)。


【ステップ7:アメリカの連邦遺産税(Estate Tax)の確認】

兄の財産がアメリカ国内で一定額を超える場合、アメリカの連邦遺産税(Estate Tax)の申告が必要になることがあります。2025年時点での基礎控除額は約1,361万ドルですが、被相続人が非居住外国人(Non-Resident Alien)の場合は控除額がわずか6万ドル(日本円にして約900-1000万)に大幅に引き下げられます。この点は見落としがちですので注意が必要です。


【まとめ・タイムライン目安】

時期やること
死亡直後領事館への連絡・遺体の搬送手配
1か月以内財産の把握・現地弁護士の選定
3か月以内日本への死亡届・プロベート開始
10か月以内日本の相続税申告(必要な場合)
1年以上プロベート完了・財産の分配

プロベートは州によっては1〜2年かかることも珍しくありません。早めに専門家に相談することが、結果的に時間と費用の節約につながります。

プロビタス税理士法人は国際相続に取り組んでいます。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

関連記事

目次