しかし、「株式で給料をもらうと税金はいくらかかりますか?」「譲渡制限付株式報酬の税金はどう計算される?」「株式報酬にかかる税金で失敗したくない」「税務調査で指摘されないか不安…」といった疑問や懸念を抱かれる方は少なくありません。
私たちプロビタス税理士法人は、スタートアップ、そして外資系企業の日本法人まで、多様なクライアントの株式報酬制度に関する税務を数多く手掛けてきた会計事務所・税理士法人です。本記事では、主要な株式報酬制度の概要から、それぞれの課税タイミング、そして株式報酬 税務調査における具体的な注意点まで、専門家の視点から徹底的に解説いたします。
ただしRSUに関しては、すでに記事がありますので、こちらをご参照ください。

またストックオプションについては以下をご参照ください。

1. はじめに:株式報酬制度が注目される背景と課題
現代の企業経営において、優秀な人材の確保と長期的な企業価値向上の実現は喫緊の課題です。この課題を解決する強力なツールとして、「株式報酬制度」が国内外で広く導入されています。特に、経営陣や従業員のモチベーションを直接的に株価と連動させることで、オーナーシップ意識を醸成し、企業と個人が一体となって成長を目指す仕組みとして期待されています。
海外(特にアメリカ)でのRSUの現状は?
株式報酬は、特にアメリカのIT企業やスタートアップ企業で、役員や従業員への報酬として広く採用されています。シリコンバレーの多くの企業では、RSUは給与の一部として当たり前のように機能しており、優秀なエンジニアや幹部を引きつけるための重要な要素となっています。
その特徴は、株価の変動リスクをストックオプションよりも抑えつつ、将来の株価上昇による恩恵を享受できる点にあります。この柔軟性とインセンティブ効果の高さから、アメリカのみならず、グローバル企業が世界中の拠点(日本法人含む)の役員や従業員にRSUを付与するケースが年々増加しており、日本での税務処理の重要性も高まっています。
1-2. 株式報酬制度が発行会社にもたらすメリット
株式報酬制度は、企業側にも多くのメリットをもたらします。
- 優秀な人材の確保と定着: 特に資金力に限りがあるスタートアップ企業や、グローバル市場で競争する企業にとって、現金報酬以外に魅力的な報酬を提供できる手段となります。社員が企業の成長を自分事として捉えることで、エンゲージメントが高まり、離職率の低下にも繋がります。
- 株主との利害の一致: 役員や従業員が自社の株式を保有することで、株価上昇が自身の報酬に直結するため、株主と同じ目線で企業価値向上にコミットするインセンティブが生まれます。これにより、経営陣と株主の利害が一致し、ガバナンス強化にも貢献します。
- キャシュアウトの抑制: 特に創業期や成長期の企業では、手元資金を事業投資に優先させたい場合があります。株式報酬であれば、現金の流出を抑えながら、優秀な人材に高いインセンティブを提供することが可能です。
- 長期的な企業価値向上への貢献: 多くの株式報酬制度には、一定期間の勤務や業績目標達成を条件とする「ベスティング(権利確定)」の仕組みが組み込まれています。これにより、短期的な利益追求だけでなく、中長期的な視点で企業の成長に貢献するモチベーションが促されます。
2. 主要な株式報酬制度の種類とその特徴・課税の論点(RSU,ストックオプション以外)
株式報酬制度には様々な種類があり、それぞれ特徴と税務上の論点が異なります。ここでは、主要なものを中心に解説します。
2-1. ファントムストック(バーチャルストック)
ファントムストック(バーチャルストック)は、実際に株式を交付せず、架空の株式(ファントムストック)を付与し、株価に連動した金銭を支給する報酬制度です。
- ファントムストックの仕組みと特徴
- 非現物交付: 実際の株式の交付は行われません。
- 株価連動: 付与されたファントムストックの数と、将来の株価(または株価上昇分)に基づいて、金銭が支払われます。
- 現金決済: 最終的に金銭で支払われるため、株式発行の手間や株主構成への影響がありません。
- キャッシュアウト: 企業は現金での支払い準備が必要になります。
- ファントムストックの課税論点
- 金銭交付時に給与所得: ファントムストックによる報酬は、実際に金銭が支払われた時点(権利確定・行使時)で給与所得として課税されます。
- 源泉徴収: 企業は、この金銭報酬に対して通常の給与と同様に源泉徴収を行います。
- 役員報酬の場合: 役員に対するファントムストックも給与所得として課税されますが、定期同額給与や事前確定届出給与の要件を満たさないと損金不算入となるリスクがあります。
2-2. 業績連動型株式報酬(PSUなど)
業績連動型株式報酬(Performance Share Units: PSUなど)は、特定の業績目標の達成度合いに応じて、交付される株式数や金銭報酬の額が変動する制度です。
- 業績連動型株式報酬の仕組みと特徴
- 目標達成が条件: 企業全体の利益目標、個人目標、株価目標など、様々な業績指標が設定されます。
- 変動性: 目標達成度に応じて、付与される株式数や金銭報酬の額が変動します。
- 長期的なインセンティブ: 中長期的な企業価値向上や業績達成へのコミットメントを強く促します。
- 業績連動型株式報酬の課税論点
- RSUに準ずるケース: 実際に株式が交付されるタイプ(例: PSU)は、RSUと同様に、権利確定時(株式交付時)に給与所得として課税され、売却時に譲渡所得として課税されます。
- ファントムストックに準ずるケース: 金銭で支払われるタイプは、ファントムストックと同様に、金銭交付時に給与所得として課税されます。
- 目標達成度の証明: 課税時期や所得額の根拠となる業績達成度の証明資料を明確に保管しておくことが、税務調査対策として重要です。
2-3. その他の株式報酬
上記以外にも、以下のような株式報酬制度が存在します。
- ストックオプション(再掲): 特定の価格で自社株を購入できる権利。税制適格要件を満たせば、権利行使時の課税が繰り延べられるが、海外発行のストックオプションで日本の税制適格要件を満たすものは見た経験がありません。
- 信託型従業員インセンティブ・プラン(ESOP): 会社が設定した信託を通じて、従業員が自社株式を取得する制度。
- 株式交付信託: 信託を通じて役員に自社株式を交付する制度。
それぞれに異なる税務上の論点があり、導入・運用には専門的な検討が不可欠です。
3. 【最重要】株式報酬に関する税務調査で指摘されやすいポイントと対策
株式報酬 税務調査では、その複雑性ゆえに様々な点が確認されます。特に以下のポイントは注意が必要です。
- 評価額の適正性:特に非上場株式の株式報酬 税務調査対策
- 上場企業であれば株価は明確ですが、非上場企業の場合、権利確定時の株価(時価)の算定が非常に重要になります。
- 不適切な評価額(特に過小評価)は、贈与税や役員賞与の認定課税など、思わぬ追徴課税につながるリスクがあります。
- 客観的かつ合理的な評価方法(純資産価額方式、類似業種比準価額方式、DCF法など)を選択し、その算定根拠を明確に文書化しておくことが、税務調査対策として不可欠です。
- 二重課税のリスクとその回避策:国際課税(外国税額控除)の活用
- 海外親会社からの株式報酬の場合、外国の税法に基づき現地で課税され、かつ日本の税法に基づき日本でも課税される「国際的な二重課税」が発生する可能性があります。
- このような場合、日本と当該国との間で締結されている「租税条約」の適用や、日本の確定申告における「外国税額控除」の適用により、二重課税を回避できる場合があります。
- しかし、その適用可否や計算方法は非常に専門的であり、誤ると還付が受けられなかったり、税務調査で指摘されたりするリスクがあるため、国際税務に詳しい専門家のアドバイスが不可欠です。
- 社内規程・契約書と税務処理の整合性:
- 企業が定めている株式報酬に関する社内規程、付与契約書、付与通知書などの文書の内容と、実際に会社が行っている税務処理(給与計上時期、源泉徴収、売却益の処理など)が論理的に一致しているかを税務署は確認します。
- 文書上の記載と実務が異なる場合、税務上の問題だけでなく、労務上の問題にも発展する可能性があります。
- 適切な証拠書類の保管:税務調査における説得力強化
- 株式報酬の付与契約書、権利確定通知(Vesting Statement)、交付された株式の取得単価や取得日を示す書類、売却時の取引明細、株価算定に関する資料など、株式報酬に関する全ての書類は、法令で定められた期間、適切に保管しておく必要があります。
- これらの資料は、税務調査において税務署からの質問に対して、自身の主張を裏付け、説得力を持たせるための最も重要な証拠となります。
4. 株式報酬制度の導入・運用を成功させるための税理士の役割
譲渡制限付株式報酬 税金、株式報酬 税金といった複雑な税務問題を抱える企業にとって、専門家である税理士のサポートは不可欠です。
私たちプロビタス税理士法人は、以下のような多角的なサポートを提供し、お客様の株式報酬制度の導入・運用を成功に導きます。


- 権利確定時の源泉徴収・年末調整サポート:
- 複雑な課税所得の計算、源泉徴収税額の算定、そしてその後の年末調整や法定調書作成まで、煩雑な実務を代行し、従業員 株式報酬 税金に関する企業側の負担を軽減します。
- 従業員・役員向け説明会の実施:
- 当社の専門家が、RSUや株式報酬型ストックオプション税金、ファントムストックなど、参加者(役員・従業員)が理解しやすいよう、税務上のポイントや確定申告の必要性などを分かりやすく解説する説明会を開催します。
- 税務調査対応支援:
- 万が一、株式報酬 に関する税務調査が入った際には、税務署からの指摘事項に対し、法的根拠に基づいた適切な反論・交渉を支援し、お客様の利益を最大限に守ります。
- 国際税務上の問題解決:
- 海外親会社からのRSUなど、国際課税が絡む案件においても、租税条約の適用判断、外国税額控除の適用計算など、高度な専門知識を要するサポートを提供します。
5. まとめ:複雑な株式報酬の税務はプロビタス税理士法人へ
譲渡制限付株式報酬 税金、株式報酬 税金、rs 株式報酬 税金といったキーワードで検索し、本記事にたどり着いた皆様は、株式報酬制度に関する税務の重要性をすでに認識されていることと思います。
私たちプロビタス税理士法人は、株式報酬 税務調査を含め、株式報酬制度に関するあらゆる税務問題に対応できるプロフェッショナル集団です。制度設計の初期段階から、日々の運用サポート、そして万全の税務調査対策まで、お客様が安心して株式報酬を活用できるよう、最適なソリューションを提供いたします。
役員報酬 株式報酬 税金、従業員 株式報酬 税金に関するご相談、または現在の制度運用に少しでも不安をお持ちの企業様は、ぜひ一度、プロビタス税理士法人へお気軽にお問い合わせください。