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【税理士による解説】租税条約の適用を受けるための居住者証明?

目次

居住者証明

租税条約の適用を受けることにより、税金が減免されることが多いです。でもアメリカやイギリスなど一部の国においては、租税条約の適用を受けるためには居住者証明が必要になります

租税条約によって税金が安くなる、という制度を悪用した租税回避行為(例えば本当は北朝鮮の会社なのに、日本の企業だと偽装するような租税回避)を防止する必要があります。そのための書類が、税務署が発行する居住者証明書です。(たまに印鑑証明と混乱される方がいますがご注意ください)

租税条約に基づく減免を申請する際には、現地の税務当局に対して、受益者が日本の居住者であることを証する書類を提出することがあります。居住者証明書の提出が求められた場合には、所轄の税務署に証明書の発行請求を行うことになります。

居住者証明書の交付請求書を、所轄の税務署に提出します。経験的には2週間から1か月かかるので、早めの対応が必要になります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9210.htm

なお居住者証明書に、証明事項として所得金額や税額、提出先にPEを有しないことなどが含まれている場合には、発行に時間がかかるので、事前に所轄税務署の管理運営部門に相談したほうが良いです。

※注意点

居住者証明書は、書面で書留で送付されます。もし日本に滞在していないなどの場合には受け取ることができません。

その場合には、税理士・会計事務所に受取を委任することもできます。ただ委任状と、税理士の証明(税理士証書と税理士個人の身分証明書)などが求められます。ただ経験上、税務署によって求められる書類が違う印象なので、適宜相談してみてください。

アメリカの場合

アメリカの国税庁に相当するIRSには、日本の税務署が発行する居住者証明ではなく、W-8BENという書類を提出することになります。米国源泉税に対する受益者の非居住証明書です。

源泉徴収義務者を通じて、IRSに提出します。

もし提出がされていない場合、米国に保有する金融機関を通じて取得する利子・配当などについては、額面金額の30%の源泉税が課されてしまいます。仮に30%で課税されたとしても、日本で外国税額控除ができないのでご注意ください。

3年ごとの更新が義務付けられていてます。

実際のフォームは以下からダウンロードすることができます。

https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/fw8ben.pdf

以下は記載例です。

この記事の執筆者

片山 康史

税理士 / 中小企業診断士

プロビタス税理士法人代表。 「自分の知識と経験で皆を幸せに」をモットーに、税務の問題を解決する情報を発信しています。外資系企業向けの国際税務が得意です。