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コロナ禍での海外の子会社支援について

海外子会社への経済的支援はリスクがあります。特に経済的支援の中でも、売掛金や貸付金の放棄などは要注意です。その対応策について国際税務に強い税理士が解説します。
目次

お客様から受けた質問です。

”コロナ禍の影響で、海外の子会社の業績が良くないし、現金も尽きてきている。日本の親会社としては、売掛金の放棄(債務免除)をしたいのだが、税務上問題があるのだろうか?”

海外子会社への経済的支援はリスクがあります。特に経済的支援の中でも、売掛金や貸付金の放棄などは要注意です。

税務上で懸念されるのが,海外子会社(国外関連者)への支援が寄附金認定された場合です。対価性がなかったり、経済合理性がないと判断された場合に寄付金認定されることがあります。都合の悪いことに国外関連者への寄附金は,その全額 が損金不算入となります。何が何でも寄付金認定は避けなければなりません。

2020年11月23日版の税務通信(税理士向け)に該当する記事があったので紹介します。

改正通達の対象範囲に,海外子会社への支援が含まれるか否かがポイントとなるところ,海外子会社への支援についても,新型コロナウイルス感染症の影響に基因して行うものであれば,国内子会社への支援と同様に取り扱われるとのことだ。

改正通達では,国内法である「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に規定される新型コロナウイルス感染症等の影響で資金繰りが困難となった取引先を対象とする旨が示されており,支援の基因となる新型コロナウイルス感染症が,日本国内と海外のいずれで発生したかは問わないという。

また,新型コロナウイルス感染症で打撃を受けた 海外の取引先 に対して支出する災害見舞金等についても,国内の取引先に対する災害見舞金等と同様に,交際費等に該当しないものと取り扱われることになる( 措通61の4(1)-10の3 等)。

ただこの記事には、続きがあります。コロナ禍であればどんな債権放棄や債務免除でも寄付金にはならないとはされていません。

やむを得なかったという理由を書面などで残しておく必要があるとのことです。たしかにそうですね。取締役会議事録など一定の書面で記録を残すことは大事だと思います。

コロナ禍をうけて、国税庁としてもただの支援先を発表しています。ただ網羅的ではなく、特に国際税務関係についてはあまり配慮されていないのではないかと感じることもあります。ご不明な点等ございましたら何なりとお問い合わせください。

この記事の執筆者

片山 康史

税理士 / 中小企業診断士

プロビタス税理士法人代表。 「自分の知識と経験で皆を幸せに」をモットーに、税務の問題を解決する情報を発信しています。外資系企業向けの国際税務が得意です。