源泉徴収を忘れていませんか?インドへの業務委託料の支払い

日本法人がインドにあるソフトウェア会社に開発を依頼してその対価を支払いました。なおそのソフトウェア会社は日本国内に拠点(支店や営業所など)は有していません。この場合の税金はどうなりますでしょうか?

目次

(1)結論

日本の法人がインド法人に対して、ソフトウェアの開発を依頼しその対価を支払う場合、日本で源泉徴収が必要です。

(2)日本の所得税法上の考え方

インド法人が日本国外であるインドにおいて人的役務提供事業を行うことで得る所得については、日本の所得税においては国内源泉所得に該当しないことになり、インド法人で課税されないと考えてしまうのが一般的かもしれません。

ただインドだけは例外なのです。

(3)とても特殊な日本インド租税条約12条

インドとの租税条約12条4項において、「技術上の役務提供に対する料金」の定義が次のように定義されています。

技術者その他の人員によって提供される役務を含む経営的若しくは技術的性質の役務またはコンサルタント役務の対価としてのすべての支払金をいう。

したがって、ソフトウェアの開発委託料は、「技術上の役務提供に対する料金」の定義に該当します。

日本インド租税条約12条の6項において、支払者が日本の居住者である場合には、日本において生じたものとされています。そして日印租税条約12条の2項において、源泉国で課税されることになっています。

(4)まとめ

租税条約の適用により、インドへのソフトウェア開発委託料は日本国内で課税されることになります。税務調査においても必ずチェックされる項目の一つです。

税率についてですが、国内法であれば20.42%です。ただし、支払の直前までに租税条約の届出書を提出することによって、租税条約で規定されている10%の税率に軽減されます。

プロビタス税理士法人では、インドへの業務委託料の支払いの実績もあります。ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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