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日本のYoutuberがアメリカの税金を支払わないといけない?

国際税務のことなら、プロビタス税理士法人。外資系企業100社以上の実績。インバウンド/アウトバウンドや外国人の確定申告に強み。外資系企業や海外子会社の設立などの国際事業拡大に対し、専門的な知識を要する国際税務の管理サポートを提供します。海外への事業拡大に関してご検討の方へ。専門家による安心の国際税務。
目次

お客様からご質問をいただきました。

その方は、どこの芸能事務所にも属さず、個人の副業でYoutuberとして活躍されています。”Youtuberとしての収益があります。その収益についてアメリカで源泉徴収がされると聞いたのですが、本当ですか?” 

本当のようです。少し解説してみましょう。

簡単に言うとどういうことなのか?

Youtuberとしての収入が100円あったとします。 いままではGoogle社から100円を支払われていたのですが、今後はアメリカの税金が天引きされる可能性があるということです。

最大で24円が源泉徴収(天引き)されて、Google社からは76円しか支払われません。手取り金額が減少することになります。(ただ税率が24%で、最大で24円ということです。源泉徴収の対象は、アメリカでの視聴者に対象が限定されるようですので、天引きされるのは24円以下にはなると思われます。)  

具体的にはGoogleのヘルプページGoogle への米国の税務情報の提出をご参照ください。 一部を引用します。

早ければ 2021 年 6 月より、Google は、米国の視聴者から生じた収益に対して米国の源泉徴収税の控除を開始する可能性があります。これに伴い、可能な限り早急に、米国の税務情報を AdSense でご提出いただけますようお願いいたします。2021 年 5 月 31 日までに税務情報をご提出いただけなかった場合、クリエイター様の全世界における収益合計の最大 24% が、Google により控除される場合がございます。米国にお住まいのクリエイターの皆様はすでに税務情報をご提出いただいているかと存じますが、AdSense アカウントの税務情報が正しいことを今一度ご確認ください

Google への米国の税務情報の提出

対象になるサービス

  • YouTube における広告の表示
  • YouTube Premium
  • Super Chat
  • Super Stickers
  • チャンネル メンバーシップを通じて得た収益

なぜアメリカの税金を支払わないといけないのか?

Youtubeの動画は全世界の人が視聴することができます。その中でアメリカの視聴者もいるはずで、そのアメリカの視聴者が見た分についてはアメリカで税金を取ります、ということですね。

なぜ2021年からなのか、というのはアメリカの税務の専門家ではないのでわからないです。 もうすこし専門的に言うと、Youtubeの動画収入はロイヤリティという分類になりまして、租税条約がある場合には、ロイヤリティの支払者がいる国で、課税をすることができることになっています。

つまりアメリカは課税する権利があるという整理になります。

どうすればいいの?

GoogleのAdSenseアカウントの方から、米国の税務情報の提出をおこないます。 

 具体的には、さきほどのヘルプページをご参照ください。ただ不親切な部分も多くありまして、ほかの方がわかりやすくまとめられています。そちらを参照されたほうが良いかもしれません。

個人事業主の方は申請にあたりマイナンバーが必要ですね。 申請にあたってわからない言葉があれば、顧問税理士などに確認されたほうが良いと思います。 

我々は英語対応可能ですので、英語が問題ということであれば、お手伝いできる部分はあるかもしれませんが、ただ、我々はアメリカの税務の専門家ではありませんので、アメリカの確定申告などについてのご質問はご遠慮ください。

もし源泉徴収されてしまったらどうするか?

うまく申請されているかどうかは不安ですよね。

 AdSense 管理画面[お支払い]>[設定]のカードの中の[設定を管理する]から[税務情報の管理]をクリックしていただき、ステータスが[承認済み]になっていたらOKのようです。 

日本とアメリカの租税条約で、ロイヤリティの税率は0%(免除、免税)ですので、承認済みとなっていたら源泉徴収はされないはずです。  

もしその確認を忘れてしまって源泉徴収されてしまった場合にはどうするのでしょうか?  

現時点(2021年6月)では、源泉徴収された税額をどのように確認するのかはわかりませんが… 日本の居住者の方がアメリカで税金が発生した場合、それは日本でも税金がかかるはずですので、アメリカと日本の二重で課税されることになります。

2か国間において二重で課税が発生した場合、外国税額控除を適用することにより、アメリカの税金を日本の税金から控除できます。 その外国税額控除を適用できるのか?というのが日本の税務専門家の疑問になります。 

 個人的には、適用はできないのではないかと考えます。 理由として、外国税額控除の対象となる外国税額から除かれるものがあります。その一つが以下のものになります。

 ⑨日本が租税条約を締結している相手国等において課される外国所得税額のうち、その租税条約の規定(当該外国所得税の軽減又は免除に関する規定に限ります。)によりその相手国等において課することができることとされる額を超える部分に相当する金額又は免除することとされる額に相当する金額

居住者に係る外国税額控除

きちんとGoogle社に米国の税務情報を提供していれば、租税条約の適用により税率は0%であったはずです。本来であれば免除されたはずの外国税金が何らかの問題により源泉徴収をされてしまったことについて、日本の税金からの控除は認めないということだと理解しています。  

ただはじめてのことで、不透明な部分もあります。 

もしアメリカで源泉徴収がされてしまい、日本で確定申告をして取り戻したいという場合、外国税額控除だけであれば、比較的リーズナブルな価格で、確定申告書の作成を請け負っております。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

この記事の執筆者

片山 康史

税理士 / 中小企業診断士

プロビタス税理士法人代表。 「自分の知識と経験で皆を幸せに」をモットーに、税務の問題を解決する情報を発信しています。外資系企業向けの国際税務が得意です。