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税金トラブルから身を守れ!トレカ転売者のための税理士による詳細な税務調査ガイド

税務調査の連絡が来たらプロビタス税理士法人へ。個人の税務調査対応実績多数。
目次

はじめに

最近はトレーディングカードが人気だと聞きます。

私が金曜日の夜に新宿を歩いていたら、ヨドバシカメラに凄い行列がありました。

聞いてみたらポケモンのトレカの販売が土曜の朝にあるからということでした。私がマイクロソフトで働いていた時にWindowsの販売日の前日に同じことがありましたが、今の時代にそういうことがあるのだとビックリしました。

調べてみたら、限定品などは数十万の金額でフリマサイト(ヤフオクやメルカリなど)で売買されるみたいです。ポケモンや遊戯王、ウマ娘などがあるようです。

その場合、税金の問題があるのではないかと思い、調べてみると、はやり税務調査が入っているようです。

「遊戯王」「ポケモン」人気トレカ転売で1億円の申告漏れ 神戸市の男性ら、国税指摘

https://www.saitama-np.co.jp/articles/21225/postDetail

(以下抜粋)

人気アニメの「ポケットモンスター」や「遊戯王」などのトレーディングカード(トレカ)を転売していた神戸市の男性3人と会社1社が大阪国税局の税務調査を受け、計約1億円の申告漏れを指摘されていたことが6日、関係者への取材で分かった。トレカを巡っては、希少性の高いカードに1億円以上の値が付いた例もあるなど人気が高まっている。

 関係者によると、2017~21年、神戸市の20代男性3人はトレカをネットで転売していたが申告せず計約8千万円の申告漏れを指摘された。

 さらにうち1人が設立した神戸市のトレカ販売会社は利益を少なく見せかけたとして、約2千万円は所得隠しと認定された。

(抜粋終了)

もし税務署から連絡があったらどうするのか?

国税庁がどのように情報を収集しているのかはわかりません。ただヤフオクやメルカリなどと協力して、高額の転売している人(せどりや転売ヤー)を見つけ出しているのだと想像します。

目をつけられてから3,4年ほど泳がされて、その時点で無申告であることを確認してから、税務調査に移行すると想像します。3,4年ほど泳がされるのは、なるべく多くの税金を取りたいからです。

税務署から税務調査の連絡があったときに、その心当たりがあるのであれば誠実に対応するしかありません。弊社では個人の税務調査を多く請け負っています。もし興味がありましたらお問い合わせいただければと思います。

トレカの税金

トレカの税金を考えるのは次の順番になります。(なお個人事業主の前提です)

その1.売価が30万以下か超か

その2.所得が小さすぎるので申告不要にならないか?(会社員かそれ以外か)

その3.営利目的(転売目的)で、継続的に販売しているか

<その1> 売価が30万円以下の場合

売値が30万円以下のものは”生活用動産”と言います。”生活用動産”の売買は非課税です。

売値が30万以上のものを”生活に通常必要でない資産”といいます。もしかしたら見解の相違があるかもしれませんが、弊社では売買価格が30万円超のトレカやROLEXなどの高級時計は、鑑定などが必要になるなどの総合的な見地から所得税法施行令25条に規定する「書画、こつとう及び美術工芸品」であり、”生活に通常必要でない資産”と考えております。

“生活に通常必要でない資産”を売買した際に、確定申告について考えることになります。

ただ所得(売価から購入価額や経費を控除した金額)が50万円以下であれば税金はかかりません。譲渡所得で50万円の控除があるからです。なお確定申告は必要になります。

<その2>申告不要

(住民税は確定申告が必要なケースがあります)

所得(売価から購入価額や経費を控除した金額)、つまり儲けが小さすぎる場合には確定申告不要の制度があります。小さい儲けまで目くじらを立てないよ、というイメージです。

 ・会社員は、所得(売価から購入価額や経費を控除した金額)が年間20万円以下なら申告不要です。20万円を超えていたら確定申告必要です。

 ・専業主婦の方など無収入の方は、所得(売価―購入価額や経費)が48万円以下なら申告不要です

<その3> 常習的に転売をしている場合、または儲けが大きすぎる場合

その1でご案内した通り、売値が30万円以下のいわゆる”生活用動産”の売買は非課税です。

しかし継続的に転売をしている場合、または年間の儲けが大きすぎる場合は非課税とならない場合があります。その場合、売値が30万円以下であったとしても、利益が出ているのであれば税金が発生します。

残念ながらどこからが”常習的””継続的”かはグレーゾーンです。ケースバイケースですので、税務調査については議論することになります。

具体例

ひとつだけ具体的なケースと数値で考えてみましょう。

(あくまでザックリとした計算値です)

給与収入800万~1000万の会社員が今年に10万円で購入した遊戯王やポケモンなどのトレーディングカードを100万円で売却したとします。売買は1~12月の1年間でこの1件のみ。

この場合は、 譲渡所得(短期) として確定申告します。税金がいくら増えるかというと、

トレカの所得(売価100万―購入代価10万)―50万*1=40万円

*1 譲渡所得には50万円の特別控除という措置があります。

この方の所得税の税率は社会保険料等の各種所得控除し累進課税で20%と仮定します。所得税は 40万×20%=8万円の追加納付となります

これ以外に住民税10%(=4万円)があり、合計12万円の負担増加となります。

消費税も意識しなければなりません

前々年の消費税課税売上(他の事業も行っている場合はそれも含めて)が1000万円超であれば翌年3/31までに消費税の確定申告も必要です。

ただし、海外への販売は輸出免税となり消費税は0%です。

確定申告しないで放置しておいたらどうなるか?

国税庁の調査能力は年々向上しているように見えます。バレルかバレないかではありません。必ずバレると思った方が良いです。

国税庁も注視しているタイムリーなトピックスなので、インターネットや取引先情報により明らかになってしまう可能性が大いにあります。

税務調査が入ると本来納める税金以外に追加で以下のペナルティ(罰金のようなもの)が課されます。

・延滞税

・無申告加算税

・(悪質であれば)重加算税

以上、一般的な話を記載してきましたが、実際には税務署は “個々の状況により総合的に判断”するのでこの通りにならないケースもあります。何よりも誠実な対応が必要です。税務署からお尋ねがありましたら、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。

この記事の執筆者

片山 康史

税理士 / 中小企業診断士

プロビタス税理士法人代表。 「自分の知識と経験で皆を幸せに」をモットーに、税務の問題を解決する情報を発信しています。外資系企業向けの国際税務が得意です。