クラウドファンディングという言葉をよく聞くようになりました。
英語で書くと、Crowd fundingでして、大衆(Crowd)から資金調達(funding)するという意味になります。インターネットのプラットフォームを用いて、不特定多数の方が資金調達する仕組みです。
2000年代から存在はしていましたが、2011年の東日本大震災以降、非常に一般的な資金調達の仕組みとなり、2021年では約1500億円の規模になっています。この10年ほどでクラウドファンディングの市場規模は1000億円を大きく超える規模になりました。
弊社の顧問先でもクラウドファンディングで資金調達する機会も増えました。以下にクラウドファンディングの会計処理と税務をまとめました。
クラウドファンディングの種類
購入型
支援者が資金を出資し、支援者はそのリターンとしてモノやサービスを受け取るものです。
寄付型
支援者が資金を出資するのですが、特にリターンがない仕組みです。
融資型
小口の資金を集めて大口化し、借り手企業に融資する仕組みです。
株式投資型
個人投資家が未公開株式を提供する代わりに資金を募る仕組みです。
個人投資家と株式会社の間にファンドが組成される場合もあり、その場合は個人投資家はファンドにクラウドファンディングすることになります。
ふるさと納税型
自治体が解決したい課題を具体的にプロジェクトにして、そのプロジェクトに共感した人からふるさと納税の仕組みを用いて寄付を募るものです。
不動産特定共同事業法型
資金提供者は不動産特定共同事業者と匿名組合契約を締結し、不動産の運用による運用益や売買差益を投資家に分配する仕組みです。
クラウドファンディングの税務
クラウドファンディングを行った場合の処理をそれぞれまとめました。ただこれは一つの参考例であり、実態によっては異なる場合もあります。
購入型
- 資金調達を受けた人:売上
- 資金を提供した人:支払手数料(個人の場合は税務上の特典はなし)
- 消費税:課税取引
寄付型
- 資金調達を受けた人:売上(個人の場合は贈与)
- 資金を提供した人:寄付金の取り扱いに準ずる
- 消費税:対象外
融資型
- 資金調達を受けた人:支払利息
- 資金を提供した人:受取利息(個人の場合は雑所得)
- 消費税:非課税取引
株式投資型
- 資金調達を受けた人:資本金
- 資金を提供した人:受取配当金(個人の場合は配当所得)
- 消費税:対象外
ふるさと納税型
- 資金調達を受けた人:売上(個人の場合は贈与)
- 資金を提供した人:寄付金の取り扱いに準ずる
- 消費税:対象外
不動産特定共同事業法型
- 資金調達を受けた人:配当金
- 資金を提供した人:受取配当金(個人の場合は配当所得)
- 消費税:対象外
最後に
クラウドファンディングは新たな資金調達手段として注目を集めています。
銀行からの融資を受けることが難しい企業にとっては非常に有効な手段であるのも事実です。
ただクラウドファンディング事業者の手数料はまだまだ高く、その手数料と税金を控除されるとほとんど手残りがない、というケースも散見されます。「ご利用は計画的に」(年齢がばれますね)
- バックオフィスのコストを抑えたい
- 今の顧問税理士が国際税務に詳しくない、英語対応してくれない
- 会計事務所に質問しても、すぐに答えが来ない